<第2章>心の反応6つの法則
2018/01/08
なぜ人の反応は違うのか
同じことを伝えても、相手によって反応は全く違います。
人の心の反応パターンは、時代背景やマーケットの状況に影響を受けたり、行動心理や、その人のもともとの資質などによって様々ですから当然のことです。
しかし、よくよく分解してみると、6つの法則にあてはめることができます。
この反応のパターンをあらかじめ知り、準備や対応ができれば、最初のコミュニケーションでの結果が大きく変わると思いませんか?
心の反応6つ法則
1の法則 ~はじめの一歩を踏み出す為の法則~
1本目の電話、1件目の訪問、1件目の受注、
営業活動に限らず、最初の行動は重いものです。そのはじめの一歩さえクリアすればそのあとの行動に弾みがつきます。
弾みをつけるために、はじめの一歩を早くする工夫、成功させる工夫を考え、習慣にしましょう。
2の法則 ~時代の繰り返しの法則~
私たちが生きてきたこの社会は、安定した時代と不安定の時代、ふたつに分かれます。
そしてそのふたつの時代は繰り返します。歴史を遡ってみても明らかです。
そこで想像するべきは、時代背景による人々の心の状態です。
安定の時代には人々の心は開いています。不安定な時代はその逆です。
この、人々の心の状態によって、プレゼンや提案の仕方も変わってくるのではないでしょうか。
3の法則 ~マーケットの移り変わりの法則~
① 売り手主権のマーケット
② 買い手主権のマーケット
③ 迷走・混迷のマーケット
他には無い新商品なら黙っていても売れます。
商品や販売店の数が増え、顧客にとって選択肢が増えると主導権は買い手側に移ります。
同じ商品なら、価格の差、品質の差で選択し、それらの差別化も困難になると、サービスの差、売り方の差という事で、店員や営業マンの接客スキルに目が向くようになりました。
この時代に生まれた「お客様は神様です」という言葉に象徴される様に、過剰なまでの接客合戦が繰り広げられ、好感度アップを目的にした形式的な接客・営業トレーニングが広がって行きました。
しかし、物や情報が溢れ新商品が次々と登場し差別化が難しい、迷走・混迷のマーケットに突入して久しい現在、消費者が求めているのは安心や確かさです。
どこもみんないい商品・サービス。微妙な違いは一般の消費者にはわかりません。一方で、いまの時代は買い手側が入手できる情報の質も量も昔とは違います。信頼性の高い情報をいち早く入手し比較している消費者に対して、より高い専門性と安心感や説得力が必要です。
4の法則 ~3%の超一流層と60%の平均層~
世の中には様々な人が存在していますが、次の4つの層に分かれます。決して差別ではありません、誤解しないでくださいね。
3%の超一流スーパースター
10%のまあまあイケてる人
60%の平均的な人、凡人、一般人
27%の不平不満ばかりの人、脱落組
この4つの層は、業界内、会社内、部署内、どのレイヤーでもこのとおりに分類されます。
そしてこの分類は消費者やマーケット、見込み客にも当てはまるのです。
3%の人ってどんな人?
超一流。強い。優しい。価値観がしっかりしている。判断基準が明確。リーダーシップがある。想像力が豊か。1を聞いて10を知る。高収入。好奇心が強い。人脈が豊か。人望がある。期待感を持てる。など
60%の人ってどんな人?
ごく普通。弱い。強がる。あっちにフラフラこっちにフラフラ。みんながやるならやる。リーダーシップがない。想像力が乏しい。1から10まで教えてほしい。警戒心が強い。恐怖心を抱きやすい。不安に陥りやすい。など
持っている基本のエネルギーや習慣、反応が違うのです。
3%の人の基本のエネルギーは興味、好奇心、期待感。
60%の人の基本のエネルギーは不安、猜疑心、危機感。
ということは、見込み客がどの層なのかを想像・洞察して、その人に合う方法で提案することが必要です。
営業で言えば、3%の人がトップセールスマン層となるわけですが、世の中には、この3%の人に向けたビジネス書やセミナーがとても多いです。
あるいは、3%の人たちの仕事術を紹介する武勇伝・精神論中心の営業研修、営業セミナーばかりです。
しかし、一般的な60%の層の方々がその内容を参考にしても、一般人ならではの課題を解決するには至らないのが現実です。
「はじめの一歩」は、そんな60%の人たちにフォーカスしています。
「営業力がない」「これからが不安」と思っている方も大丈夫です。等身大の視点から、10%の層、そして3%の層へ限りなく近づく方法を押さえていますので、ぜひご参考にしてください!
5の法則 ~人間の行動心理~
① 生理的欲求
② 安全の欲求
③ 社会的欲求
④ 自我の欲求
⑤ 自己実現の欲求
これは有名な「マズローの欲求5段階の法則」です。アメリカの心理学者アブラハム・マズローによれば、人間の行動心理には5つの段階がある、としています。
欲求の段階を知る事は、商品、サービスの存在意義を知る事につながります。
私の商品・サービスは、人々のどの欲求レベルに響く商品なのか?
それぞれの欲求レベルの人は、どんな心の反応や、行動習慣を持っているのか?
そのお客は、どの欲求レベルで生きている人なのか?
具体的にイメージしておきましょう。
6の法則 ~心の変化6段階~
① 拒否
② 警戒
③ 一部受け入れる
④ 完全に受け入れる
⑤ 一部同化する
⑥ 完全に同化する
新しい情報や提案に対して、はじめから心がフルオープンという事は稀です。
心が変化して行く段階と流れを知り、適切なタイミングで、適切な提案をすることが大切です。
この6つの段階は1度の接触や商談で6まで進行することもあれば、ひとつの段階をクリアするために数回の商談を必要とすることもあります。
見込み客の心が今、どの段階にあるのか、言葉や表情、態度だけにとらわれず、常に心の声に気を配ることが必要です。